LifeDesign Lab

Life-Plan
豊かな生活
2017-08-31

ワインセラーのある注文住宅
こだわりの一本を貯蔵する空間づくり

注文住宅の魅力のひとつは、自分の趣味を楽しむための空間を思いのままにつくれること。例えばワインを嗜む趣味を持つ人ならば、ワインセラーを自宅に設けることもできます。微妙な環境の変化を嫌うワインを、大切に保管する空間をつくるための工夫を考えてみました。

ワイン貯蔵のポイントは明るさ・温度・湿度・安定性

ワインの起源は、紀元前4000年代末期のエジプトといわれています。その後、古代ギリシャやローマ帝国でも、ワインはおもに貴族の間で親しまれ、城や邸宅の地下室などで大切に保管されてきました。
その理由は、ワインの繊細な性質にあります。ワインは瓶に詰められた後も熟成が進み、その風味は絶えず変化します。私たちが快適と感じる温度や湿度があるように、ワインにも好む環境があります。

ワインが好む環境とは、以下のような場所です。
 1 暗い場所…ワインは紫外線を含む日光を嫌います。
 2 温度変化の少ない涼しい場所…ワインを保存する適温は約15〜16℃。
 3 高い湿度…理想的な湿度は約65~80%。
 4 振動の少ない場所…振動を与えると、ワインは化学変化を起こします。
つまりこの条件に一番合うのが、地下空間というわけです。
またワインは、コレクション性も強いお酒。マニアであれば、気になるボトル、飲んでみたいボトルは増えていく一方。それをたくさん収納できる空間としても、地下室は理想的なのかもしれません。

地下室だけじゃない、ワインセラーを持つ方法

しかし現代の建築において、ワインセラーのための地下室をつくるのは至難の技。地下に穴を掘る、コンクリートで継ぎ目なく覆う、完璧な防水対策を施すなどを考えると、技術的、コスト的に難しい面が出てきます(もちろんそれでも、本格的な「地下ワインセラー」をつくる人もいますが…)。

ただ工夫次第では、ワイン保存に適した環境を実現する自宅ワインセラーを、注文住宅によってつくることは可能です。階段下のデッドスペースや居室の一角をガラス扉で仕切り、温度・湿度を一定に保つ空調設備や紫外線を遮断するフィルムなどを活用して、ワインを安全に保存できる場所をつくるファンも大勢います。

また、リビングに温度・湿度管理機能がついたボックス型のワインセラーに合うディスプレイ棚を作りつけ、こだわりのワインを大切に保存する方法も人気があります。カウンターやテーブルを設えて、テイスティングやお気に入りの1本を開けて語らうためのスペースにするのもよいでしょう。地下室のような暗く、窓のない場所ではなく、明るく、オープンな空間で、仲間とワインを嗜むのもおすすめです。

海外のワイン愛好家の間では、ワインを貯蔵する場としてではなく、ワインという作品を展示するための「ワインルーム」を設けるトレンドが広がっているといいます。こだわりの一本を安全に貯蔵すると同時に、美しいラベルやボトルを“魅せる”ディスプレイにも気を配っているのです。その際には温度・湿度管理はもちろんのこと、棚の質感や色合い、LEDなどを使ったライティングなどにもこだわったつくりにしたいものです。

ワインには、ボトルの一本一本に作り手のこだわりやワイナリーの歴史、さらにはそれを入手したときの思い出や繊細な味の違いなど、さまざまな「想い」が詰まっています。それを大切に保管することができ、なおかつボトルを眺めたり、味わったり、感想を語りあったりすることができるワインセラー、ワインルームを自宅につくることで、人生の楽しみ方がもっと広がるかもしれません。