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2017-05-24

大きい音を出しても気にならない!
音楽を存分に楽しむための注文住宅

音楽を趣味としている人であれば「大好きな音楽を、周囲に気兼ねすることなく聴きたい」と思うのが普通です。また聴くだけではなく、自分で楽器を演奏することを趣味としている人も少なくないでしょう。そこで気になるのは、住まいの「防音」です。音楽を心から楽しむことができる、防音性能に優れた注文住宅について考えてみましょう。

住宅の遮音性能を図る指標

音の強さはデシベル(db)という単位で通常表されます。一般的にエアコンの稼働音や普通の会話、トイレの洗浄音などは50〜60dbと言われており、一般的にはこの程度の音が外に漏れないようにすれば十分なのかもしれません。

しかし例えば、スピーカーから発せられる音楽や大音量の映画の音は80〜90db(もちろん音楽や映画の種類によっても違います)。ピアノの生演奏では100dbを超えることもあります。これは電車が通過しているときのガード下の音にも匹敵するともいわれています。
音楽を楽しんでいる本人にしてみれば、好きな音楽は精神的に癒しや心地よい興奮を与えてくれるものですが、それに関心のない周囲の人にしてみれば、単なる騒音にしか過ぎません。となれば、電車が走るガード下の音を遮るほどの防音対策を施さなければ、周囲を気にすることなく音楽を楽しむことができる住まいにはならないということです。

音を遮断する「遮音性能」を図るとき、Dr値(D値)という指標が用いられます。例えば、90dbのピアノの音をさまざまな防音対策を施し、外には40dbにしか伝わらないようにできたとします。その場合の遮音性能は90-40=Dr-50と表します。
日本建築学会が発表している「建築物の遮音性能基準」では、90db前後の音楽やオーディオを外ではほとんど気にならないレベルに遮音するためには、Dr-50の遮音性能が必要とされています。当然家には壁がありますので、何の防音対策をしなかったとしてもある程度の防音は期待できます。これに特別な防音対策を施して、建物全体としてDr-50にもっていくということになります。

防音室をつくる注文住宅の施工

では実際に、注文建築ではどのようにして高い防音対策をしていけば良いのでしょうか。楽しみたい音楽や楽器によって対策は変わりますが、ここでは一般的な木造住宅で楽器のための部屋を設けたいケースを設定して考えてみましょう。

家全体に防音対策を施すのは、コストの面から考えて現実的ではありません。オーディオルームや楽器室など、家の中の一部を音楽専用の部屋として造るのが良いかもしれません。
まずは、この部屋の壁や天井にグラスウールや防音パネルなどの素材を導入します。ピアノやスピーカーなど、音源を床に置く場合には、床に触れる部分の振動を抑えるためのゴムパッドを敷く施工も必要になってきます。
また、音は空気を伝って外に広がっていきますので、窓やドアなどの開口部の対策は必須です。複層ガラスや機密性の高い防音ドアなどを設置しましょう。

もちろん、このような防音性に優れた施工を望む場合、数百万円単位の費用は必要になります。しかし周囲との関係を良好に保ったうえで、趣味の音楽を存分に楽しめるのだとすれば、決して高い出費ではないのかもしれません。

設計や施工については、建築家などプロのノウハウをもとに進めることになります。注文住宅の設計に入る前の段階でその意図を伝えて、できれば音楽やオーディオに造詣が深い担当者とともにプランニングしていきたいものですね。音楽の趣味の情報交換などを通じて、住まいをつくる段階から楽しめるような関係性になっておくとよいでしょう。