Favorite Space
お気に入りの空間
2017-04-18

お気に入りの品々に囲まれた生活
趣味の骨董品やアンティークをより楽しめる注文住宅

自分の好きなものに囲まれた生活を夢見て、注文住宅を決意する人も少なくありません。苦労して集めた骨董品やアンティークのコレクションを鑑賞したり、お披露目したり、大切に保管したりというそれぞれの目的を満たすための設計を施すことができるのは、注文住宅の醍醐味でもあります。骨董品をより楽しめるデザイナーズ住宅について、考えてみましょう。

骨董品やアンティークを見せる収納

「収納」と聞くと、「物を使わないときにしまっておくこと」というイメージがありますが、収納機能はそれだけではありません。あえて「見せるための収納」という考え方もあります。自宅をスタイリッシュなアンティークショップのように見せ、「飾る+しまう」の収納を実現することもできます。

まずはその収納場所から考えてみましょう。お気に入りの一品を見せる、あるいは眺めるということを意識するのであれば、人が集まりやすく、自分も滞在時間が長い場所、つまりリビングにディスプレイ用の収納棚を設けるのがベストではないでしょうか。視線の位置に合わせた高さで壁面に棚を設け、そこに骨董品やアンティークを並べられるようにします。収納というより、展示というイメージです。並べる骨董品やアンティークの種類や数、大きさなどによって、棚の幅や長さを決められるのは注文住宅ならではの利点。「この逸品を見せる!」という目的に絞ってデザインするのもいいかもしれません。お気に入りの品を美しく見せる方法も重要。ポイントは明るさです。骨董品が傷まないように、直射日光の当たる場所は避けた方がいい、室内に入ってきた自然光が壁などに反射し、やわらかな明るさに包まれているような場所に棚をセットするのも良いでしょう。

注文住宅を手がける多くの建築デザイナーは、プランを練る前に家が建つ土地の日照を季節ごと、時間ごとにシミュレーションしています。ですから、家の中のどの位置に、いつ、どのような状態で光が当たるのかを把握しています。建築デザイナーと相談しながら、もっとも自然に、美しく自慢の逸品を飾ることができる配置を決めるのもいいかもしれません。

湿気や火災から骨董品やアンティークを守るために

お気に入りの骨董品はすべて並べて、ずっと眺めていたいものだと思います。しかし展示できるスペースには限界がありますし、あまりごちゃごちゃと並べすぎるのも美しくありません。増えすぎたコレクションをしまって置く場所も必要になってきます。そこで「見せる収納」のほかに「隠す収納」も設けておくのが得策です。デリケートな管理が求められる年代物の骨董品では、収納して置く場所の湿度管理が大切です。そこでおすすめなのは、珪藻土や漆喰といった建材。収納スペースはもとより、家自体の内装をこのような自然素材でつくるという方法を検討してみてはどうでしょうか。

珪藻土や漆喰など、いわゆる「多孔質」と呼ばれる、表面に無数の穴が空いている構造の建材は、それ自体で空気中の余分な湿気を吸着する作用があります。湿度に弱いデリケートな骨董品であれば、その保管場所としてこれらの建材を利用するのもいいかもしれません。また珪藻土や漆喰は、昔から城や土蔵といった重要建造物に使用されていることからもわかるように、その優れた耐火性も特徴のひとつです。万が一の火災から貴重な財産である骨董品を守る意味でも、珪藻土・漆喰を使った内装はおすすめです。隠す収納スペースもディスプレイ用の棚同様、所有している骨董品やアンティークの数や種類、大きさなどに合わせてデザインすると使いやすいものになります。将来コレクションが増えていくことも見越して、十分に余裕のある収納場所も確保しておきましょう。

 

大好きなものに囲まれた、憧れのライフスタイル。その骨董品やアンティーク自体もさることながら、それを見せたり、飾ったり出来る、収納する住まいも自慢できるようなつくりにすることで、その楽しみ方はさらに大きく膨らみます。

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