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間取りを考える
2017-01-10

人と犬がともに心地よく過ごせる住まいづくりの工夫

家族のライフスタイルに合わせて、住まいをプランニングすることができるのが注文住宅の良いところ。その“家族”には、もちろん愛するペットも含まれます。人とペット、お互いに体の特徴や生態が違う生き物同士がともに暮らすのですから、それぞれが心地よい空間づくりを心がけなければなりません。今回はペットのなかでも「犬」とともに生活する家をつくる場合、忘れてはいけないポイントをいくつかあげてみます。

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犬のための居場所を確保する

人と犬が快適に暮らすための住宅について、まずは間取りから考えてみましょう。
「犬との共生」というと、とかく犬と一緒に過ごすための空間を優先して考えがちですが、実は人と犬それぞれが時間を過ごす空間をプランニングする方が大切です。(専有と共有)
 ・犬に入ってほしくない場所を仕切る
 ・犬が居心地の良さを感じられる場所をつくる
という2つのことを頭に入れて、デザインするようにしましょう。

上記2つの解決には、室内に愛犬専用のハウスを設けることが有効です。市販のケージを室内に置くのでもよいのですが、階段下などのデッドスペースに扉をつけて、専用ルームにするのもおすすめです。
その際には、あまり広いスペースにしない方が犬は落ち着くことができます。犬が中でぐるりと一回りできるぐらいの広さで十分。床にマットを敷いたり、お気に入りのおもちゃを入れたりして、愛犬が自分からそこに入りたくなるような居心地のよい空間にしてあげてください。

もう一つの注意として、この愛犬スペースに中には犬用のトイレを入れないようにしましょう。犬はとてもきれい好きで、自分の寝床からなるべく離れた場所に排泄をする習性があります。ハウスとトイレの位置を室内の離れた位置に設けることで、ハウスとトイレ両方のトレーニングにもつながります。

犬の健康とお手入れを考えた建材選び

次に「建材」の面から考えてみましょう。
犬の足の裏には人間より長い爪があり、カサカサした肉球があります。天然木のフローリングは犬にとって滑りやすいものが多く、足や腰を痛める原因になり股関節の病気になりやすいと言われています。床材としては柔らかく弾力性のある素材、滑りにくい素材を選ぶことをおすすめします。その意味では絨毯やコルクの床材が理想的ですが、傷や汚れを考えるとビニールクッションフロア素材を選ぶのもよいでしょう。抜け落ちた被毛の掃除がしやすいという利点もあります。またタイルも汚れが落ちやすく、掃除もしやすいという利点もあり、さらに暑さ対策としてもタイルはヒンヤリしているので、オススメかもしれません。

しかしデザイン的にどうしても天然木が良いという場合には、比較的柔らかいスギやパインの無垢材がおすすめ。爪でどうしてもキズはついてしまいますが、そこは割り切り、一種の「味」として考えましょう。また表面に滑り止めのコーティング材を塗布するのも効果的かもしれません。

壁材は、ニオイを吸収する効果がある材質を選んでみてはいかがでしょうか。
珪藻土の壁は表面に無数の小さな穴がある「多孔質」なため、それにより湿度やニオイを吸着する性質があるといわれています。
反面、シミや汚れが取れにくく、犬が壁に前足をかけた場合には簡単にキズがついてしまうというマイナス点もあります。

防臭効果を施したビニールクロスを利用するのも一つの方法です。お手入れしやすい水拭きが可能なタイプや、ペット用に表面に強化加工が施されて傷がつきにくいタイプなどもあります。
とにかく汚れてしまった際には交換がしやすいという点は魅力。貼り替えを考えて、腰高位のラインまで汚れ防止や消臭耐久性のあるペット対応の壁紙を貼り、上と下に張り分ける方法が良いと思います。

犬との心地よい共生を考えた住宅では、他にも玄関に飛び出し防止の柵を設けたり、ペットの加齢の事も考えた工夫も必要だと思います。愛犬も大切な家族の一員。人にも犬にも優しい、居心地のよい空間がある住まいづくりを注文住宅でつくってみるのはいかがでしょうか。

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