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テクノロジーと暮らし
2017-03-28

住宅のスタンダード高気密高断熱の家は、ここがすごい!

「高気密高断熱の家」という言葉はよく耳にするものの、その内容についてまであまりよくわかっていない人は多いのではないでしょうか。しかしこの「高気密・高断熱の家」は、建物にも人にも優しい、しかも経済的な生活を送るうえで、把握しておくべく重要なものです。もとは寒冷地の住宅に多く見られたこの工法が、いまや全国的に広まった背景や、そのメリット・デメリットを知ることで「高気密高断熱の家」を紐解いていきましょう。

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少ないエネルギーで室内を快適に

「高気密高断熱住宅」とは、家を構成する床・壁・屋根といった部位にさまざまな工夫を施し、外気と内気との機密性を高めた住まいのことを指します。家の隙間を埋める技術と高性能の断熱材を駆使してまるで魔法びんのような構造になり、わずかなエネルギーで快適な温度を保つことができると言われています。こうすることで、夏の暑い日でも、冬の寒い日でも外気の影響を受けることが少なく、少ないエネルギーで室内を暖めたり、冷やしたりすることが可能に。なおかつ、その快適な室温や湿度を長く保つことができるのです。「気密性の高い家」という言葉だけを聞くと、どこか息苦しいような印象を受ける人もいるかもしれません。しかしそうではありません。外気の影響を受けにくいということは、室内の空気を入れ換える空調設備や換気システムが効率的に稼働しやすいということにもつながります。現在の住宅には設置が義務付けられている24時間換気システムとの併用で、室内の空気環境はクリーンに保たれます。少ないエネルギーで、室内空間の快適性を保つことができるということは、省エネルギーやCO2削減などの地球環境維持にも貢献します。高気密高断熱住宅が近年大きく注目されている背景には、このようなメリットを重視し、高気密高断熱住宅の普及を進めたい国の意向があるかもしれません。そのため国は、高気密高断熱の家を建築する際に活用できる補助金や税金の優遇制度を設けて、その実施をバックアップしています。

最近話題の「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス=年間の空調・給湯・照明・換気の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅)」を実現するためにも不可欠な要素となる住宅の高気密高断熱化。環境問題、資源問題が懸念事項となっている現代だからこそ、住宅建築のスタンダードになりつつあるかもしれません。

省エネ、環境、健康、結露対策…さまざまなメリット

それでは高気密高断熱住宅のメリット・デメリットについて見ていきましょう。まず最大のメリットは、少ないエネルギーで室内の快適性が保て、それが光熱費の節約につながるということです。エアコンを作動させれば短時間で設定温度に達し、なおかつそれを長時間保つことができると言われています。地球規模の大きな視点から見ても、資源の節約とCO2削減といった環境維持にも貢献します。2つ目のメリットは、住む人の健康維持です。高気密高断熱の家では室内のいろいろな場所の温度差を少ない状態にすることができます。リビングなど暖かい部屋と浴室など寒い部屋との温度差が少なくなる、急激な温度変化により引き起こされるヒートショックなどのリスクが軽減されると言われています。また花粉や粉塵など、健康に悪影響を及ぼす原因となる物質の室内への侵入も最小限に抑えることができます。仮に侵入したとしても、換気システムが効率的に働きやすいので空気はクリーンに保たれます。これは室内の有害化学物質が原因となるシックハウス症候群や化学物質過敏症といった健康被害の軽減にもなります。その点でも高気密高断熱住宅は健康維持に適した住まいといえるでしょう。3つ目のメリットは、結露が起こりにくいという点です。湿った温かい空気が急激に冷えたときに発生する結露は、換気システムにより外気との湿度差が軽減された室内では発生しにくくなります。また断熱性能を高めるペアガラスの使用により、窓の内側に外気の冷たさが伝わりづらくなるので、その点でも結露の軽減になります。結露を防ぐことができれば、それが温床となるカビ、そしてそれをエサとするダニに発生を抑えられますし、建材の腐食も防ぐことができるなど、メリットはさらに拡大します。

逆にデメリットがあるとすれば、通常の家よりも施工費用がかさむということでしょうか。また高気密高断熱が一般化したことにより、施工技術も高まっています。今後さらに低価格で高気密高断熱化を実現できるようになるかもしれません。そうすれば費用面で悩むことなく、施工に踏み切ることができます。

以前の日本の木造家屋は隙間が多く、冷暖房効率の悪さや結露の発生、室内の温度差による健康被害などの問題を抱えていました。それを解消する手段として注目されている住まいの高気密高断熱化。今の住宅建築のスタンダードとして、知っておかなければいけないキーワードであることは間違いありません。