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間取りを考える
2017-02-28

限られた土地を有効活用! 3階建て住宅プランイングのアイデア

限られた広さの土地に、理想のプランを盛り込んだ空間デザインを施したい。そんな希望を叶えるひとつの手段として、3階建住宅があります。実は3階建以上の建物に関してはさまざまな法規制があり、建てづらい状況にあったのですが、1987年に法が改正されると、3階建以上の住宅が都市部を中心に増加しました。平面だけでなく、高さも有効に活用することができる3階建の住まい。注文建築で実現する際のポイントを考えてみました。

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フロアを「使う人」「使い方」によってプランニングする

本来人間は、縦方向よりも横方向に動く方が楽と感じる生き物。ですから、もしも広い空間を所有しているのであれば、横へ横へと居室を広げていきたいものです。ただし、空間に制限のある都市部で住宅建築を考える場合には、(建築基準法の制限の範囲内で)上方向への空間設計がどうしても求められます。3階建の住宅が都市部で多く見られるのは、そんな理由からです。

となると、3階建の注文建築をプランニングする際に大切なのは、居住空間が上に伸びたとしても、快適性を保つことができる動線を描くこと。1階、2階、3階それぞれに関して、おもに使用する家族の事情と、活用シーンを考慮しながら設計を練ることが求められます。

その基本をもとに、一般的な3階建の空間構成について考えてみましょう。
1階は、階段を登り降りすることなく生活を送ることができるのが大きなメリットです。となると、3世代同居であるならば、祖父・祖母のための生活空間として活用することが最適といえます。反面、住宅が密集している地域などでは、採光や通風の面で劣る部分もあります。思い切ってビルトインガレージにしたり、収納のための階層と割り切ることも少なくありません。

2階は、家の中間に位置する階層であるため、家族がもっとも集まりやすい空間になります。そのため、ここにはリビング・ダイニングを設けるというケースが多く見られます。眺望や採光、通風もよいので、家族みんなのお気に入りスペースとすることができます。また家事の効率を考えると、水回りはLDKに近いところがよいでしょう。ただ2階に水回りを集めるほどのスペースがない場合、洗面・バスは1階、3階に、洗濯機置き場はキッチン脇にという具合に分散させるなど、家事動線も考慮した工夫も必要です。

3階は、眺望は一番よいのですが、階段の昇り降りが必要なため、高齢者や来客には不向きです。また斜線規制の関係で十分な広さを得られないことも考えられます。となるとリビングなどのパブリックスペースではなく、寝室や書斎、子供部屋などの居室にすることが多くなります。

高さを利用し、空間にアクセントをつくるアイデア

このように、平面の広がりではなく、上方向に空間を求めることで開放感や使い勝手を得るのが3階建プランニングの基本です。より3Dを意識したデザインが重要となります。

そこでよく取り入れられるのが、各階で高さに変化をつけるという発想。例えば、収納やビルトインガレージに使われることが多い1階の天井をギリギリまで下げ、その分の高さを2階・3階に活用するというものがあります。2階リビングの天井が高くなれば、それだけ開放感が生まれ、3階は斜線規制から逃れられる可能性が出てきます。

また、各階の中で高さを変えることでアクセントをつけ、見た目の広さを得る工夫もあります。「スキップフロア」や「ダウンフロア」といったフロア内の床の一部を上げたり、下げたりして、上下方向の空間に変化を与えるというものです。こうすることで、少し高い位置からフロアを超えた視線が生じるので、視覚的な広さを感じさせることができるようになります。
中二階やロフト、小屋裏などを設けて、3階建を4層、5層に見せるのも似たようなアイデアです。これにより空間に遊びを持たせ、住まいに「広さ」だけでなく「楽しさ」「豊かさ」も生み出すことができます。

限られたスペースのなかであっても、さまざまな工夫を施すことで、アイデアを無限に広げることができるのが3階建の特徴であり、魅力です。都市部に住まいを求める人にとって、有効な選択肢となります。これを住みやすく、快適につくり上げることができるかは、住まいづくりをともにする建築家の腕にかかっています。深いコミュニケションを図りながら、一層一層ていねいにプランニングしていくことが大切です。