LifeDesign Lab

Research Layout
間取りを考える
2016-11-29

意外に多い、収納の後悔!収納から住まいをデザインする

空間を自由にデザインして、カタチにする。これが注文住宅のもっとも大きな醍醐味です。しかし東京など限られた敷地で住まいを設計する場合には、何を重視して空間を組み立てるかという取捨選択に迫られることもあります。その場合でも、ないがしろにしてはいけないのが「収納」。実は収納に関する後悔を感じる人が、住宅購入経験者に意外と多いのです。

storage-design

収納に関する失敗例、あれこれ

「広いリビングをつくることが夢」というのは、多くの注文建築希望者から聞かれる声です。でも実際にそれが完成してみると、その大きな空間を掃除するための道具を収納するスペースがなく、毎日掃除機を持って1階2階を登り降りしなければならない……。結局はそのための収納を置く事になった。これは夢や憧れを優先して設計したことによる悲劇の一例です。

その他
・収納スペースをロフトに集約し、空間を有効活用しよう!
→大きな荷物をいちいちハシゴを登って持ち運びしなければならず、危険……。
・天井までの高さがあるトール収納がほしい!
→しまうものはせいぜい腰の高さぐらい。かえってデッドスペースができてしまった……。
・パントリーの棚は、たくさん物が置けるよう広く、奥行きを持たせよう!
→小さい食材が奥に隠れてしまい、探しにくい、取り出しにくい……。
・各部屋にクローゼットを設けよう!
→ママの収納はパンパンなのに、パパの方はスカスカ。パパの部屋にママの物を置く事になった…
など、収納に関する失敗は意外にも多いのです。

収納は広すぎても狭すぎても、多すぎても少なすぎても、その家の使いやすさをダウンさせてしまう要因になります。リビングや居室同様に、自分たちの生活スタイルに合わせてデザインすることが大切なのです。

使うところに、使う物を、使う分だけ

収納を配置、デザインするうえで考えるべきことは、動線と広さです。「使うところに、使う物を、使う分だけ」という原則で盛り込むのが基本です。
もちろん実際には建築家が設計を行うのですから、実際に使用するシーンを建築家がイメージしやすいように伝えるということが大切です。

例えば冒頭の「広いリビングをつくりたい!」という希望だけで、収納の観点が抜けていたケース。建築家にどんな掃除機を使って、どういう流れで掃除をするのかということを伝えておけば、キッチンからリビングへの動線上にあるデッドスペースを利用して、掃除機のサイズにぴったりな収納スペースを最初から盛り込んだプランができていたでしょう。しかも愛用の掃除機が充電式だとわかっていれば、収納内に充電用のコンセントまで用意するなんていう工夫も追加されたかもしれません。

各部屋に収納を!という希望だけではなく、家族のメンバーそれぞれがそこに何をしまうのかを伝えておけば、場合によっては廊下に共用のクローゼットを設けた方が効率的という提案が出てきたかもしれません。

基本となるのは、収納を空間から画一的にイメージするのではなく、使い方としまうものから設計するという観点。「ここにこれを収納しよう」ではなく「これを収納したいから、こんな収納にしよう」という逆転の発想です。またこれができるのも、注文住宅の特権でもあるのです。

収納をデザインするためのポイント

最後に、注文建築や全面リノベーションなどで収納をプランニングする際に考えるべきポイントをまとめておきます。
1. 収納したい物のサイズと、収納スペースの幅・奥行き・高さを合わせる
2. 実際に使う状況を想定し、その動線上に収納スペースを設ける
3. よく使う、よく出し入れする物は手の届きやすい位置、高さに収納する
4. 入れやすく、出しやすい工夫を。「開かずの間」にならないような出入り口を設ける
5. 何をどこにしまうか、家族全員がわかりやすいつくりにする
6. 扉のデッドスペースも考慮に入れる。場合にはよっては「見せる収納」であっても良い

そして最後にもう一つ。
収納に頼りすぎて、なんでもかんでも押し込んでおけばいい!という考えを捨てること。どんなに考え尽くされた収納スペースでも限界はあります。住まいをキレイに保つ基本は「整理整頓」。これに勝る収納法はありません!