LifeDesign Lab

Technology
テクノロジーと暮らし
2016-11-04

エコで快適な暮らしを実現! 話題の“スマートハウス”って何?

最近テレビや雑誌、WEBサイトなどで、その言葉をよく目にする「スマートハウス」。皆さんはご存知ですか? 直訳すれば「賢い家」。地球環境保全のため、最新のテクノロジーを使って家自身が“考え”、家庭で消費されるエネルギーを削減してくれる住まいのことです。現在国や東京をはじめとする各自治体、関連する業界などは、さまざまな策を講じてこの「賢い家」の普及に努めています。

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我慢することなく、エコな住環境をつくる

「スマートハウス」とは、家電や設備機器をネットワークなどで接続し、エネルギー消費を最適な状態に制御することで、居住者が便利に住まうことができる住宅のことをいいます。
この考え自体は1980年代のアメリカにすでに存在していたといわれていますが、日本では2011年の震災とそれに伴う原発事故を契機に、多くのハウスメーカーがこの市場に参入して一気に注目され始めました。それにより技術革新が活発化。エネルギー問題への関心も相まって、現在では「太陽光発電などの自家発電設備を使い住まいでエネルギーを生産、余ったエネルギーは蓄電池に充電して必要なときに使用する」という「創エネ」の要素もその定義に加わってきています。

スマートハウスという考え方が広まる以前から、私たちの中には「エネルギーは大切なもので、なるべく無駄に使わないようにする」という節約意識がありました。しかし節約を実践しようとすると、「我慢」や「不便」という要素が少なからず存在し、強いられてきていました。
スマートハウスでは家自身が勝手に考え、自然な状態で省エネを実行してくれる点が大きな特徴でもあります。つまり「省エネなのに快適」という、2つの理想を同時に叶えてくれる、まさに賢い家なのです。

年間消費エネルギーゼロ以下を実現するZEHへ

スマートハウスにおいて中心的な役割を果たすのがHEMS(ヘムス/ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略)と呼ばれる管理システムです。これがいわば司令塔となり、住宅内のエネルギー機器や家電などをネットワーク化して、エネルギー使用を最適化してくれるのです。

HEMSが管理する情報には、人の存在を感知して電源のオン・オフを自動的に行う照明器具や、生活パターンを学習して自動的に冷暖房の最適化を行うエアコンなどのスマート家電も含まれます。それらがインターネットで繋がり連動することで、省エネ効果を高めることができるのです。家電メーカーが盛んに研究しているIoT(インターネット・オブ・シングス)、つまり「モノに搭載されるインターネットの技術」は、スマートハウスの進化の大きな役割を担っています。家電メーカーとハウスメーカーが共同でスマートハウスの開発を行ったり、家電メーカー自身が住宅事業に参入するのは、こんな背景があるのです。

このように、「スマートハウスにより住生活からエネルギーを考える」という発想はさまざまな業界で大きな盛り上がりを見せ、日進月歩で進化しています。
最近ではその勢いが、さらに加速。省エネ・創エネ・HEMSさらには断熱などの建築技術を組み合わせて年間の消費エネルギーをゼロ以下にする「ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略)」と呼ばれるスマートハウスが話題を集めています。

国もこの流れに呼応し、「2020年までに注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」と目標を掲げています。2030年には新築住宅の平均で、ネット・ゼロ・エネルギーを目指すとしており「住宅を取得するなら、ZEHが当たり前」という時代が近い将来実現するところまで来ているのです。

国を挙げて推進をバックアップ

<補助金>

多方面から注目され急速に進化をしているスマートハウスですが、現状ではその実現には少なからず費用がかかることも事実です。そこで多くの自治体、関連団体では、その普及を後押しするための補助金を用意して、経済的なバックアップを行っています。

また国では、ZEHの普及を図るため「ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業」という補助金制度を用意しています。平成28年度はZEHの要件を満たす住宅一戸あたり全国一律で125万円が支給されるという補助が行われました(寒冷地特別外皮強化仕様では定額150万円)。さらに一定の要件を満たす蓄電システムを導入する場合は、容量1kWhあたり5万円(上限は補助対象経費の3分の1もしくは50万円のいずれか低い金額)がプラスで支給されます。

この補助金は新築住宅だけでなく、既存住宅の改修も対象となっています。ただし、補助金が受け取れる住宅は、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)による「ZEHビルダー」の登録を受けた業者が手がけた建物だけです。契約をする前に、ハウスメーカーの担当者に確認しておきましょう。

また、補助金が必ず支給されるのは2016年度いっぱいとなっています。国が強力に進める政策ではあるので今後も延長される可能性はありますが、年々補助金が少なくなることも考えられるので、早めの検討・対応が重要となります。

スマートハウスは、今後さらに繰り返される各関連企業間の競争や連携により、優れた技術が盛り込まれた「夢の住宅」へと進化を遂げるでしょう。「賢い家」を賢く手に入れて、エコで快適な生活を実現ために、スマートハウスやZEHに関するニュースをこまめにチェックしておいて損はないはずです。