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テクノロジーと暮らし
2017-04-28

注文建築の自由を、お得に実現!
中古マンション+リノベーション
という選択

「家を建てるならば新築」という時代は変わり、昨今「中古を購入してリノベーションする」というスタイルがだいぶ定着してきました。これまで制約が多く、新築のような自由な設計がしづらいとイメージされていたマンションでも、一度スケルトンの状態にしてからまったく新しい空間につくりあげる大胆なリノベーションも行われているようです。今回は、マンションのリノベーションについて考えてみました。

マンションリノベーションで、憧れの住まいを手に入れる

水まわりや電気設備など、壊れたり、古くなった設備を修繕したり、交換したりするのがリフォームだとすれば、もとの部屋のイメージをがらりと変えて、まったく新しい住まいとして生まれ変わらせるのがリノベーションだと言われています。つまりリフォームはざっくりまとめると「新築だったころに近づける」、一方リノベーションは「新築のときよりも価値の高い、自分好みの空間に変える」という解釈になります。

新築マンションでは戸建て物件のように、注文建築で自由に設計するということが基本的にはできませんが、中古を買ってリノベーションするということであればそれが可能。キッチンを憧れのアイランド式にしたり、間仕切りをなくして広いLDKにしたり、最新のテクノロジーが施された生活設備を導入したりと、自由なチョイスで自宅を新しくすることができます。もちろん新築マンションにはエントランスや共用部分設備の充実という利点はありますが、中古マンション+リノベーションという選択では、より高い満足度で専有部分をデザインでき、しかもコスト削減にもつながるという一石二鳥のお得感があるかもしれません。

また国としても「建てては壊す」という、いわゆる“スクラップ&ビルド”の考え方から、建物を永く、大切に使うという考え方を後押しする政策を色々展開しています。平成22年度に閣議決定された「新成長戦略」において「新築中心の住宅市場から、リフォームにより住宅ストックの品質・性能を高め、中古住宅流通により循環利用されるストック型の住宅市場への転換を図る」と明言し、2020年までに中古住宅・リフォーム市場の倍増を目指した「中古住宅・リフォームトータルプラン」を取りまとめて、さまざまな優遇策を打ち出しています。
マンションであれば、たとえ外観や内装・設備が古くなっていても、構造部分がしっかりし、配管も良好な状態に維持されていれば、リノベーションにより生まれ変わる可能性が木造建築よりも高くなります。中古マンション+リノベーションという方法は、そんな国の方針とも合致するかもしれません。

マンションリノベーションにはデメリットはあるが、対処は可能!?

新しい住宅選びのあり方として、今後ますます注目をあびる事が予想される中古マンションのリノベーション。家族の好きなテイストに合わせてデザインや間取り、設備などを自由に、しかも新築よりもローコストで実現できるという大きなメリットが魅力です。
しかしそのデメリットとしては、どんなことがあるでしょうか。

マンションは、構造体や配管、エントランス、廊下などの共用部分と、各住戸の内部である専有部分から成り立っています。マンションを購入すれば、専有部分は自分の持ち物となりますが、共用部分はマンションの住民全体の所有物。勝手に手を入れることはできません。
各住戸内にも、水まわり設備やサッシなど、共用部分があります。壁も取り払えるものと、構造体であるから取り払えないものがあります。つまりリノベーションできる範囲に制限があり、100%自分のイメージする住まいにつくり変えることが困難なこともあるのです。
管理規約を確認したうえで、そこに認められた範囲での設計をすることになります。しかしそこはリノベーション技術に長けた建築家や建築会社を選ぶことで、そんな制限を感じさせない空間にすることは可能かもしれません。

また購入する際のお金の面でも、中古マンション+リノベーションのデメリットはあります。それはローンの煩雑さ。
住宅ローンは基本的に、物件を購入する資金として利用されるものですので、リノベーションをするための費用として活用することができません。リノベーションの費用をローンで確保するためには、別途リフォームローンを組むことになります。一般的にリフォームローンは住宅ローンよりも金利が高い傾向で、審査も厳しいといわれます。また住宅ローンとダブルで支払いことになるのも懸念材料として残ります。
とはいえ、最近ではそれが一体化した商品も出てきていますし、リフォーム・リノベーションに対する優遇装置が適用される分を考慮すると、負担の大きさは十分対処できる範囲に収まるでしょう。

中古マンション+リノベーションには、メリット・デメリットの両方がありますが、知識と経験豊富な建築会社からの助言やサポートがあれば、家族みんなが満足できる新居を実現するための価値の高い選択肢になるかもしれません。注文建築の自由とマンションライフの快適を手に入れる方法として、今後ますます注目されることでしょう。

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