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テクノロジーと暮らし
2017-07-11

ルーフバルコニーをもっと快適に!
ペントハウスを設けるメリット

ペントハウス——。日本語では「塔屋」と呼ばれ、建物の屋上に造られた階段室・昇降機塔等のことで、屋上から突き出した部分のことを指します。ペントハウスと聞いて、海外の映画などでよく登場する高層マンションの最上階のリッチな部屋を想像されるかもしれませんが、日本の戸建て住宅ではルーフバルコニーに通じる屋根付きの小さなスペースとしての意味で用いられる事が多いと言われています。注文建築でも要望が多いペントハウスについて調べてみました。

海外と異なる、日本のペントハウス

屋上に造られた家屋・ペントハウス。アメリカやヨーロッパなどのアパートメントでは、最上階の部屋をペントハウスと呼びます。他の部屋よりも高級な仕様でつくられていることが多く、眺望の良いテラス付き、広い敷地など、リッチな環境が整っていることから、ステイタスの象徴と考えられています。また、最上階のためプライバシーを守りやすく、富裕層や著名人に人気があります。

それに対して日本の戸建住宅でいうところのペントハウスは、あくまで屋上から突き出したような形の小さな「塔屋」あり、そこで暮らしたり、長い時間を過ごしたりというものではありません。また建築基準法上でも「建築面積の8分の1までの広さのペントハウスは、建築物の高さおよび階数に原則的に算入しない(建築基準法施行令第2条)」という特例があるので、その範囲内で造られることがほとんどです。そうなると、あまり広いスペースというわけにはいかないのです。

となるとペントハウスは、ルーフバルコニーとセットでデザインされ、屋上でのひとときを充実させるためのスペースという考え方が一般的でしょう。さらには外観のアクセントとして効かせるという意味合いもあります。それぞれの思いがあり、ペントハウスに憧れをもつ注文建築希望者は少なくありません。

屋上への動線だけでないペントハウス活用法

では、戸建注文建築におけるペントハウスは、具体的にどのような形で使用されているのでしょうか。

一番の利用方法は、やはり屋上の階段室です。ペントハウスを設けることで、家の外側を通る階段ではなく、内階段を通じてルーフバルコニーへ行くことができるようになります。これにより、屋上への動線がスムーズになります。
階段ではなく、ホームエレベーターを屋上まで通すとなればペントハウスの設置は必須となります。足腰が弱くなったお年寄りでも、日当たりがよく、快適なルーフバルコニーへエレベーターで行くことができるようになれば、家族みんなが屋上で過ごす機会も増えるかもしれません。

そのような実用的な使用に加えて、アイデア次第ではルーフバルコニーの居心地をさらに向上させるためのアイテムとして、ペントハウスを活用することもできます。
例えばペントハウスに長い庇をつけ、その下にウッドデッキを設けて、ちょっとした全天候型の屋外スペースにするというのはどうでしょうか。ルーフバルコニーの芝生で遊ぶ子供たちの姿を眺めながら、ウッドデッキでのんびり読書をしたり、お茶を飲んだりという楽しみ方ができます。
そこで賑やかな食事を楽しむことも。屋上を壁で取り囲んでしまえば、周囲からの目を気にすることなくルーフバルコニーでの時間を過ごせるでしょう。さらに電源や水道設備を設置すれば、さらに快適に。こうなるとルーフバルコニーからワンランク上の「屋上プライベートガーデン」という位置付けになるかもしれません。
※屋上利用時には火事・騒音等、近隣の方への配慮も忘れずに。

法規制があり、近所との間隔が狭い日本の場合、ペントハウスを海外のようにゴージャスな空間にすることはできないかもしれません。しかし工夫次第では、屋上の空間を効果的に活用するためのスペースとして機能させることはできるのです。ぜひ注文建築の際の検討事項として加えてみてはいかがでしょうか。

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