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2017-02-14

個性豊かな表情が魅力!注文住宅で使いたい、おすすめ天然素材

いわゆる「新建材」と呼ばれる、プラスチック、スチロール、塩化ビニール、ポリエステルなどの人工素材を使った建材は、低コストや加工のしやすさの面で優れており、現在の住宅建設現場で広く活用されています。一方、珪藻土・無垢材・天然石といった自然から採取した天然の建材は、人工の素材では得ることができない質感・風合い・手触りといった、人の感覚に強く訴える魅力があります。注文住宅でよく活用される天然素材について、その特徴や利点を知っておきましょう。
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珪藻土——快適な空間をつくる自然の壁材

珪藻土は藻の一種である「珪藻」の殻が、900万年〜1,300万年という長い年月をかけて化石となり堆積した土です。高い耐火性があり、昔から七輪やコンロの原料として重宝されてきました。
建材としては耐火・断熱性能に優れた軽量のレンガに加工され、古代ギリシャやトルコなどの寺院や神殿で使われたという記録が残っています。また日本でも、城の内壁材(食べられる土とされ、籠城に備えて使用されたといわれています)や漆器の下塗り材として、昔から職人に親しまれてきました。表面に目に見えない小さな穴が空いており、そこで湿気や臭いを吸収する作用があるとされています。そこが建材として優れているポイント。壁材として建築に使用するだけで、その味のある見た目はもちろんのこと、機能面でも次のような様々な効果があると言われています。

 

●吸湿性・放湿性
……湿度が高い日には、水蒸気の粒が空気中に漂っています。珪藻土は表面の穴で水蒸気を吸着し、逆に乾燥してくると湿気を放出して室内を潤します。
●耐火性
……鉱物系の石や土等の元素と同じ珪藻土の融点は約1,250度。純粋な珪藻土であれば、火を近づけたとしても発火せず、煙も出ません。
●断熱性
……熱を伝えない性質があり、断熱材として使用すると外気を遮断し、冷暖房費の節約につながります。
●脱臭効果
……表面の穴で湿気を吸着すると同時に、空気中に漂ういやな臭いの分子も吸着してくれます。

 

このように、数多くのメリットがある珪藻土。しかし何といっても魅力なのは、その完成した際の風合いではないでしょうか。珪藻土を壁材として使うときには、左官職人がコテを使い手作業で壁に塗っていきますが、その塗り方によってさまざまな表情を持たせることが可能です。完全に平らに塗るのではなく、あえて波状の凹凸をつけたり、丸みを帯びさせて柔らかな印象をもたせたり。染料を混ぜて色をつけることもできます。自分好みの空間に仕上げるための建材として珪藻土がよく使われるのは、こんな理由も大きいのです。

無垢材——強さ、見た目、香りを兼ね備えた木材

「無垢材」とは、簡単にいえば合板や集成材のように複数の木を接着剤で貼り合わせたのではなく、丸太から使用する形状そのままに切り出した木材のことを指します。住宅の建築では、おもに柱や床に使用されています。加工をせず、いわば「生きたまま」の状態で使用しますので、時とともに割れやヒビが入りやすいなどの欠点はありますが、一本一本一枚一枚異なる表情の、温かさを感じる風合いは、人工的につくられた木材とは異なる魅力です。ひとくちに「無垢材」といっても、木の種類によりさまざまな特徴があります。それを見極めながら、それぞれに合った使い分けをしていきます。

 

●パイン
強度があり、値段も手頃なため、建材にはよく使われます。はじめは白っぽい色をしていますが、時とともに飴色に変わる経年変化が楽しめます。
●スギ
日本を代表する針葉樹。節の模様に味があり、和室などの空間でよく使われます。柔らかな肌触りや独特な香りも人気の理由に挙げることができます。
●ヒノキ
スギと並ぶ人気の針葉樹ですが、スギよりも生育が遅いため入手しづらく、高価な木材です。高い強度と耐久性、そして独特の香りをもった優れた木材で、ほかにはない魅力を放っています。
●チェスナット
栗の木。非常に硬く、湿度にも強いため、家の土台に使われていました。最近では水周りのフローリングなどにも活用されます。
●オーク(ナラ)
はっきりした木目が特徴の広葉樹。比較的安価で入手しやすく、硬さや重厚感もあるので、床材をはじめとして建築現場でよく使われる木材です。
●メープル(カエデ)
その硬さもさることながら、弾力性もあり衝撃に強いのが特徴。体育館の床材としてよく使われていたのはそのためです。細かく繊細な木目が美しい木材です。

 

それぞれの種類により異なる魅力がある無垢材。共通しているのは、
・一つひとつ異なる木目が織りなす個性的な表情
・自然を感じさせる、落ち着く香り
・天然の断熱・調湿作用
・経年変化
という利点です。注文住宅では、その個性や特徴に応じて使用すると、住まいづくりを一層楽しむことができます。

天然石——強さと高級感が魅力の天然建材

無垢材同様、種類により異なる特徴があり、それぞれに独特な表情を醸し出す建材が天然石。家の顔ともいえる玄関やリビングに天然石を散りばめることで、豪華さを演出してくれます。またその耐久性を求めて、キッチンや水周りなどにもよく使われます。建材としてよく使われているのは、次の3種類です。

 

●御影石(花崗岩)
火山活動によって噴出したマグマが、地下深い位置でゆっくりと固まりできた石です。一つひとつ異なる粒状の模様があり、磨き方により表情を変える見た目が特徴。耐久性にも優れているので、床、壁、カウンター、外構など、さまざまな用途で使用されます。

●ライムストーン(石灰岩)
貝や動物の遺骸が積み重なってできた石です。化石が混入していることもあります。古来から建材として親しまれ、古代エジプトやヨーロッパの古い建築物でも使われていました。やわらかな色調と温かみがあり、おもに内壁材として利用されています。

●大理石
ライムストーンが熱と圧力により結晶化し、硬く変化した石です。美しい模様が特徴で、グラデーションの豊かさが、いろいろな表情を作り出します。ホテルやデパート、美術館など、高級感を求める場でよく使用されることでもわかるように、空間にラグジュアリーな印象をもたせるためにはうってつけの石材です。

 

珪藻土の質感、天然木の香り、天然石の豊かな表情。天然素材の建材には人工のものにはない、たくさんの魅力があります。たしかに手入れが必要だったり、高価だったりという欠点もありますが、用途やメンテナンスをよく検討することで、それを補うことは可能です。注文住宅で実現するこだわりの空間づくりに、ぜひ活用してみてください。