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間取りを考える
2017-07-31

毎日がグンと楽になる!
家事動線の良い間取りとは

住まいは、家族の生活が展開するステージ。家族が共同で生活する場であり、生活の中心となる環境です。そうなると、少しでもスムーズに移動ができ、より快適に過ごせるよう、家族のライフスタイルにあった動線設計を考えることが大切です。自由自在に間取りをプランすることができる注文住宅なのですから、思いっきりこだわってプランニングしてみてはいかがでしょうか。

ポイントはキッチン・水回りと収納

注文住宅の優れている点は、建物に生活を合わせるのではなく、そこに暮らす家族の生活に合わせて建物を設計することができる点。ライフスタイルは家族によってすべて異りますから、それにあった間取りのプランニングも家ごとに変わってきます。注文住宅では、そういったポイントを押さえた、使いやすい家を手にいれることができるのです。

●キッチン・水回り
「家事はなるべく短時間で済ませたい」というのは、主に家事を担当する人にとっては自然な発想。そのためには、余計な移動を削減することができる動線設計が重要です。まずは1日の動きを思い返して、動きの傾向を分析することから始めましょう。
 ・重い荷物を運んで買い物から帰ってくる
 ・キッチンでの作業と洗濯を同時に行う
 ・洗濯→乾燥→衣類の収納、という流れが多い
など、家事の傾向を思いつくまま書き出してみてください。動線を考えることが空間設計のカギになります。つまり
 ・買出しした食料品をすぐにしまえるよう、キッチンに勝手口をつけよう
 ・キッチンの近くに洗面室と浴室を設けよう
 ・ランドリールームとバルコニーをキッチンに近い場所に配置しよう
などという具合です。これにより家事の負担を大幅に削ることができるかもしれません。
また家事は一人だけで行うものではありません。家族のメンバーが参加しやすいように、例えばキッチンなどはなるべくオープンなつくりに、通路幅もゆとりをもたせるなどの工夫も有効です。

●収納
「物を出したら、同じ場所にしまう」というのが快適な生活を営む基本。片付ける作業が少なくなれば、毎日の掃除も楽にすることができます。そのために重要なのが「収納の配置」。適材適所に収納を設けることが大切です。

収納の配置の基本は、なるべく使う場所に近い所に設けることです。例えば、靴や鞄、コートなどの収納には玄関近くにシューズインクロゼットを、意外と置き場所に困る掃除機の収納にはリビング近くに扉付き収納をという具合に、それぞれ専用の収納スペースを用意するとよいでしょう。
とくに物が集中するLDKには、多めに収納を設けるようプランニングしましょう。オープン棚のような「見せる収納」と、扉をつけた「隠す収納」を両方設けることで、それぞれの小物をしまうのにふさわしいスペースができます。

また、日頃あまり使わないものを収納する大型のスペースや納戸をつくることも重要。目に見える位置に物をあまり置かないようにすることで、掃除の手間を大きく省くことができます。小屋裏収納、階段下収納など、デッドスペースの活用も考えてみましょう。

5年後、10年後の生活もイメージする

毎日の生活シーンを思い浮かべながら、家事動線に合った間取りを考えることはとても大切なことです。しかし住まいは、今後何十年も自分の生活の中心になる場所。現時点のことだけでなく、先のことまで考慮しながらプランニングする必要もあります。

5年後、10年後の暮らしをイメージすると、子供の成長・独立、親との同居・介護など、さまざまな変化が予想できると思います。そのときの生活に備えて今から準備することで、家事などの時間短縮につなげることが可能になります。
例えば
 ・子供部屋の壁を可変式にする
 ・水回りは広めに設計する
 ・階段や段差をなるべく設けない
 ・1階だけで暮らせるように、生活に必要な機能を集める
など、設計の段階から考えておくべき工夫はたくさんあります。担当の建築家の意見も参考にしながら、導入を検討することをオススメします。

家は一度建ててしまうと、変更するのに大変な手間と時間とお金がかかります。プランニングの段階から自分の今とこれからの生活を当てはめて組み立てていくことが大切です。まるで小人になって図面の上を歩き回るように、設計とイメージをすり合わせながら、慎重に進めていきましょう。

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